コラム著者:青木 拓也
家庭医療専門医
初夏を迎え、今年も暑い季節が近づいてきました。
夏は肌の露出が多くなるため、転んだりぶつけたりして怪我をしやすい時期とも言えます。そこで今回は「傷の対処」についてお話します。
まず、怪我をしてしまったとき消毒は必要ありません。ビックリする方もいるかもしれませんが、実は最近は消毒薬自体が細胞を傷つけてしまうため、傷には消毒不要と言われています。それに消毒して傷表面の菌を殺しても、またすぐに菌が再生してしまうのです。ではどうするかというと、水道水で入念に洗浄をしましょう。洗うことで、菌や傷の表面についた異物を除去することができます。
もし出血が止まらない場合は、清潔なガーゼや布で傷を圧迫して下さい。
傷を覆う場合は「ハイドロコイド」という素材がおすすめです。薬局で売っているアンドエイド・キズパワーパッドなどです。
傷は自宅で治すことも可能ですが、受診をした方が良い場合があります。それは、
等です。診療所や病院では傷の程度に応じた検査や治療を行います。
最後に、特に④の場合には破傷風の予防が必要になることがあります。中でも昭和43年以前に生まれた方は幼少期に予防接種をしていないため、注意が必要です。