家庭医が教える病気の話

HOME » 家庭医が教える病気の話 » 『傷の対処』

『傷の対処』

コラム著者:青木 拓也
家庭医療専門医

傷の対処

初夏を迎え、今年も暑い季節が近づいてきました。
夏は肌の露出が多くなるため、転んだりぶつけたりして怪我をしやすい時期とも言えます。そこで今回は「傷の対処」についてお話します。

まず、怪我をしてしまったとき消毒は必要ありません。ビックリする方もいるかもしれませんが、実は最近は消毒薬自体が細胞を傷つけてしまうため、傷には消毒不要と言われています。それに消毒して傷表面の菌を殺しても、またすぐに菌が再生してしまうのです。ではどうするかというと、水道水で入念に洗浄をしましょう。洗うことで、菌や傷の表面についた異物を除去することができます。
もし出血が止まらない場合は、清潔なガーゼや布で傷を圧迫して下さい。
傷を覆う場合は「ハイドロコイド」という素材がおすすめです。薬局で売っているアンドエイド・キズパワーパッドなどです。

傷は自宅で治すことも可能ですが、受診をした方が良い場合があります。それは、

  • ①深い場合・範囲が大きい場合
  • ②出血が止まらない場合
  • ③傷の周囲が腫れたり赤くなったりした場合
  • ④汚いもので怪我をしてしまった場合(土の表面、動物の牙や爪、古釘など)
  • ⑤骨折や内臓の損傷が疑われる場合

等です。診療所や病院では傷の程度に応じた検査や治療を行います。

最後に、特に④の場合には破傷風の予防が必要になることがあります。中でも昭和43年以前に生まれた方は幼少期に予防接種をしていないため、注意が必要です。

よくあるご質問

コラム

診療時間表(随時、訪問診療を行っております)

[駐車場10台有り]

地図