コラム著者:嘉村洋志
子供は色々な怪我をします。それは、初めてのことに対する興味の結果であり、うまく体を動かせない結果でありある意味必然的ともいえます。
そこで大事なことが二つあります。一つは緊急性の評価ともう一つは予防です。
まず緊急性の評価についてですが、場所や怪我の仕方によっていくつかに分かれます。まずは、頭。子供は頭が体の中で大きな割合を持つので、転んだ時や落ちた時に頭を打つことが多々あります。一番気になることが頭の中、つまり脳に出血しているかどうかですが、私たちが判断するポイントとしては、頭を打った直後に気を失った時間がないか、普段と様子がおかしくないか、手足の動かし方で左右差がないか、嘔吐はないか、頭にかかったエネルギーはどのくらいか等を見ています。これらが全てなければ頭の中で出血している可能性はかなり低くなります。どれか気になる点があれば病院に行き相談した方がよいでしょう。
次に打撲ですが、ドアで指を挟む等のことがあった場合にその後しっかりと動かすことができていれば大きな骨折をしている可能性は低いので、休日や夜であれば少し冷やして次の日にもう一度見てかなり腫れているや動かし方がおかしければ整形外科受診を検討してください。
次に傷がある場合ですが、水道水で構わないので洗って砂利などを流してください。その後出血があればティッシュなどで10~15分くらい圧迫してください。出血がタラタラではなく勢いよく出ている、傷が擦り傷ではなく深い、打った先の指などが動かない等の場合にはすぐに病院を受診してください。擦り傷で目に見えるよごれも水道水で洗って取れており、出血も圧迫で止まるようであれば、傷から出る治そうとする液体をうまく使ってくれるような傷パワーパットのような絆創膏を貼るとよいでしょう。擦り傷でもアスファルトの色などがついている場合には、しっかりと色や砂利をと落とさないと治ったあとに傷跡が目立つ可能性があるため、病院では塗り薬の麻酔を使用してしっかりとブラシなどで洗うことができるので、病院受診も考えてみてください。
次にやはり重大な事故を起こさないという予防が大事です。子供が自分で怪我をすることももちろん多いですが、大人が原因で怪我をすることもたくさんあります。例えば自転車の後ろに乗せている状態で、自転車を止めようとした時にバランスを崩して転倒してしまったり、熱いお茶などをテーブルに置いて子供がそれをひっくり返してしまったりなどです。これらは避けることができる事故なのでしっかりと予防したいですね。こちらは東京都から次のような資料が出ていますので参考にして見てください。
怪我はもちろん重症になることもありますが、非常に稀です。怪我を恐れて何もさせないとなると子供にとって危険なものがなにかということを学ぶ機会を奪ってしまう可能性もあります。子供の自主性に任せてある程度の怪我までは許容するということも大事かもしれません。